効果的に腹筋を鍛えるために重要な解剖学的基礎知識|エビデンスに基づく筋トレ解説
ボディメイク、ダイエット、パフォーマンス向上、怪我の予防など。
目的は違えど多くの人が腹筋を鍛えています。
腹筋を鍛えるトレーニング方法はたくさんあるので、どの方法が良いのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか??
筋トレを行う上で重要な基礎知識の一つが解剖学的基礎知識です。
トレーニング方法やバリエーションについて勉強するのも重要ですが、その前に基礎となる解剖について理解しておくことがとても重要です。
解剖学を制するものが筋トレを制すると言っても過言ではありません‼
これは腹筋に限らずすべての部位で言えることです。
まずは、基礎知識となる腹筋の解剖学的特徴を理解してバキバキに割れたシックスパックを手に入れましょう‼
システマティックレビュー論文に基づく効果的な腹筋のトレーニング方法について別記事で解説しています。興味がある人は下記よりご覧ください。
腹筋の解剖学的特徴
腹筋は腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の4つの筋肉に分けられます。
それぞれの筋肉の解剖学的な特徴を理解することで効果的に腹筋を鍛えることができます。
腹直筋
腹直筋はお腹の真ん中にある大きな筋肉です。
一般的に腹筋というとこの腹直筋のことをイメージする人が多いと思います。
腹直筋には腱画という腱部分が存在し、この部分が割れた腹筋を作っています。
腱画の数は人により若干の差異があるため、必ずしも全員が6パックになるわけではありません。
腹直筋の前方には内・外腹斜筋の腱膜、後方には腹横筋の腱膜が存在し、包まれているような状態になっています。
クランチ(上体起こし)のように体幹を前傾させることが腹筋の主な働きと認識している人が多いと思います。
しかし、実は腹直筋の主な働きは腰椎の屈曲と骨盤の後傾、つまり、おへそを引っ込めながら背中を丸めるような働きとなります。
この他にも強く息を吐きだすときに腹直筋は活動します。
実際におへそを引っ込めながら背中を丸めた状態を作り、その姿勢から強く息を吐きだすようにしてみて下さい。
腹直筋に力が入るのを感じることができると思います。
外腹斜筋
外腹斜筋は腹直筋の外側にある筋肉です。
腰椎の対側への回旋(右の外腹斜筋が収縮すると左に回旋)が主な作用です。
綺麗なボディラインを作るためには外腹斜筋がしっかりと鍛えてある引き締まった脇腹が重要になります。
くびれた脇腹、逆三角形の引き締まった腹部を手に入れるためにも重要な筋肉です。
体幹や骨盤を回旋するような運動を行うことで鍛えることができます。
内腹斜筋
内腹斜筋は外腹斜筋の深層にある筋肉です。
外腹斜筋が上に乗っかっているため、体表からは確認しにくいです。
主な作用は腰椎の同側回旋(右の外腹斜筋が働くと右に回旋)です。
前述した外腹斜筋と内腹斜筋が同時に活動することで回旋運動は遂行されます(右への回旋:左の外腹斜筋と右の内腹斜筋が同時に活動)。
腹横筋
腹筋群の中でもっとも深層にある筋肉です。
インナーマッスルとして脊柱・体幹を安定させる作用や息を吐きだす作用があります。
怪我の予防やパフォーマンス向上との関連が注目されている筋肉でもあります。
また、腰痛との関連も強く、腰痛患者では腹横筋が痩せてしまっている人が多いことが報告されています。
おへそをグーっと引き込むような運動(ドローイン)やバランス訓練などの際に活動するようですが、身体の深いところにある筋肉なので詳細な検討が難しく、効率的なトレーニング方法についてコンセンサスは得られていません。
おまけ:それぞれの位置関係
今回紹介した腹筋群の位置関係はこのようになります。
どれか一つだけ鍛えれば良いというわけではない点に注意が必要です。
それぞれの筋肉が協調的に働くことで体幹は安定します。
この体幹の安定が怪我の予防やパフォーマンス向上にも影響します。
また、それぞれの筋肉の作用などの解剖学的な特徴を理解することで効率的・効果的にトレーニングを行うことができるようになるります。
理想的なスタイルに近づくためは効率的・効果的なトレーニングが必須になります。
さいごに
今回は腹筋を鍛えるために知っておきたい解剖学的基礎知識について解説しました。
筋肉を効果的に鍛えるためには、トレーニング方法などの方法論だけでなく、基礎となる解剖学的な知識が非常に役立ちます。
腹筋の特徴を理解して効率的に腹筋を鍛えましょう‼
論文などのエビデンスのある情報をもとにトレーニング方法などを解説しています。興味がある人は下記よりご覧ください。
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参考資料
- 坂井建夫:プロメテウス解剖学アトラス
おすすめアイテム
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