論文をもとに解説‼バスケ選手の体幹トレーニングによるパフォーマンス向上の科学的効果と実践方法

トレーニング

バスケットボールのパフォーマンスを向上させるために、体幹トレーニングが重要であることをご存じですか?最新の研究では、体幹トレーニングがジャンプ力、敏捷性、シュート精度などの向上に寄与することが科学的に証明されています。本記事では、2023年に発表されたShengyao らによる研究データをもとに体幹トレーニングの具体的な効果と効果的なトレーニング方法について解説します。体幹を鍛えて、コート上でのパフォーマンスを最大化しましょう!


体幹トレーニングとは?

体幹トレーニングとは、腹部・背部・骨盤周囲の筋肉を強化し、身体の安定性やバランスを向上させるトレーニング方法です。バスケットボールのようなダイナミックなスポーツでは、シュートやドリブル、ディフェンスなどの様々な動作において体幹が重要な役割を果たします。

Shengyao らの研究結果によると、体幹の強化は以下のパフォーマンス要素に効果があることが報告されています:

  • ジャンプ力の向上
  • スプリント速度の改善
  • アジリティ(敏捷性)の向上
  • 怪我のリスク低減


体幹トレーニングの科学的効果

Shengyao らの研究では、体幹トレーニングがバスケットボール選手の身体能力に与える影響について詳細に分析されています。以下の具体的な結果が得られました。

1. ジャンプ力の向上

体幹トレーニングを約8週間実施した結果、カウンタームーブメントジャンプのジャンプ力が有意に向上しました。報告により差はありますが、約12%程度向上したとの報告もありました。

2. スプリント能力の改善

体幹トレーニングを行った結果、10mスプリントのタイムが有意に改善したことが報告されています。報告により差はありますが、約5.6%程度短縮たとの報告もありました。

3. 敏捷性(アジリティ)の向上

体幹トレーニングを行った結果、アジリティテスト(アジリティTテストなど)のスコアが有意に向上したことが報告されています。報告により差はありますが、約8.9%向上したとの報告もありました。アジリティ能力の向上は方向転換のスムーズさやスピードに関係します。これにより、ディフェンス時の素早い反応やオフェンス時の動きのキレが増しました。


体幹トレーニングがバスケットボール選手の身体機能・パフォーマンスを向上させる理由とは⁉

パフォーマンスの向上に関する考察

  • ジャンプ力の向上は体幹の安定性向上により下肢の力を効率的に発揮できるようになったためと考えられている。
  • スプリント時の姿勢安定性の向上により、動作のブレが減少し加速能力が向上する結果となった考えられている。

怪我予防の観点

  • 体幹の安定性が向上することで、着地時や方向転換時の衝撃を吸収しやすくなり、膝や足首への負担が軽減される。
  • 上記の理由から、体幹トレーニングを継続的に実施することで、慢性的な障害のリスクを低減できる可能性が示唆されています。
  • 怪我をすることがパフォーマンスを低下させてしまう一番の危険因子。怪我の予防が、継続的にパフォーマンスを向上させる上で重要。

競技特性との関連性

  • バスケットボールのように急激な方向転換やジャンプを多用するスポーツにおいて、体幹の安定性が非常に重要であることが改めて強調されています。
  • ディフェンス時のバランス維持やオフェンス時の素早い方向転換に体幹が大きく関与していると指摘されています。

おすすめの体幹トレーニングメニュー

Shengyao らの研究で報告された、バスケットボール選手に対して効果が認められた体幹トレーニングメニューを紹介します。週に2~3回、以下のメニューを取り入れることが推奨されています。個人差もありますが、8週間程度トレーニングを継続することで効果が自覚できるようになってきます。

1. プランク(Plank)

  • 目的:体幹の安定性向上
  • 方法:うつ伏せで肘を肩の下に置き、体を一直線に保つ
  • 時間:30秒×3セット
  • 効果:姿勢の安定性が増し、シュートやディフェンス時のバランスが改善、コンタクトに強くなる
  • トレーニング動画

2. ロシアンツイスト(Russian Twist)

  • 目的:体幹の回旋動作の強化(特に内・外腹斜筋)
  • 方法:体育座りの状態で足を少し浮かせて体を左右にひねる *余裕がある人はダンベルなどを持ちながら
  • 回数:20回×3セット
  • 効果:ドリブルやパスなどの回旋を伴う時の動作がスムーズに
  • トレーニング動画

3. サイドブリッジ

  • 目的:体幹の安定性の強化(特に内・外腹斜筋、腹横筋、腰方形筋)
  • 方法:右を向いて横向きで寝る→右肘を床に着き、右の前腕と右足を支点にして体を持ち上げる(このときに右肘と右肩が床に対して垂直になるように意識)。反対側も同様に。
    *負荷を高めたい人は上の脚を開いて行う
  • 回数:左右それぞれ30秒キープ×3セット
  • 効果:姿勢の安定性が増し、シュートやディフェンス時のバランスが改善、コンタクトに強くなる
  • トレーニング動画

4. スーパーマンプランク

  • 目的:体幹の安定性の強化(プランクの強化版種目)
  • 方法:腕立ての姿勢から腰を反らないように力を入れながら小刻みに脚を後ろに下げる。スーパーマンのような姿勢になって少しキープしてからもとの姿勢に戻る
  • 回数:10回×3セット
  • 効果:姿勢の安定性が増し、シュートやディフェンス時のバランスが改善、コンタクトに強くなる
  • トレーニング動画

まとめ

体幹トレーニングは、バスケットボール選手にとってジャンプ力、スプリント能力、敏捷性の向上に不可欠なトレーニングです。多くの論文により継続的な体幹トレーニングが競技パフォーマンスを大幅に向上させることが証明されています。今回紹介したメニューを日々の練習に取り入れて、コート上でのパフォーマンスアップを目指しましょう!

参考文献

Effect of core training on athletic and skill performance of basketball players: A systematic review

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