専門家直伝‼階段を降りる時の膝の痛みに効果的なストレッチ

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専門家直伝‼階段を降りる時の膝の痛みに効果的なストレッチ

階段や段差を降りる時に膝に痛みを感じたことはありませんか??

実はこの膝の痛みはとても簡単なストレッチを継続するだけで改善する可能性があります。

実際に階段や段差を降りる時に膝に痛みが生じる患者さんのリハビリを行う中で、今回紹介するストレッチが効果的であったことを多く経験します。

そのストレッチは「足関節と膝関節の柔軟性を向上するストレッチ」です‼

ストレッチ方法自体は非常に簡単であり、どんな人でも行うことができるストレッチですので、一度試してみる価値はあるかと思います‼

ストレッチを行う際の注意点

以下の症状がある場合はストレッチをする前に整形外科を受診しましょう

  • 膝が強く腫れている
  • 転倒など膝の痛みに繋がる明確なエピソードがある
  • 膝が痛くて数歩も歩けない
  • 安静時に強い痛みがある

階段や段差を降りる時の脚の動き:膝関節、足関節を中心に

実際にストレッチ方法を紹介する前に階段を降りる時の下肢(脚)の関節の動きについて解説します。

階段や段差を降りる時の膝関節の痛みに特に関係してくるのが膝関節と足関節の動きです。

階段や段差を降りる際の下肢関節の動き
膝関節の痛みは反対の脚が下の段に降りる時に出やすい

上の図から分かるように、階段や段差を降りる動作は股関節、膝関節、足関節といった下肢の関節がしっかりと動くことで行われています。

この一連の動作周期の中で膝関節に痛みが出やすいタイミングがあります。

そのタイミングは反対の脚が下の段に降りるタイミングです。

このタイミングで重要となる関節の動きが膝関節足関節の動きです。

膝関節は片脚で体重を支えながら曲げていくのでとても大きな負担がかかりやすいといった特徴があります。

また、足関節は背屈(脛が前に倒れる)することで体重をスムーズに前側に移動することに役立っています。

体重を支えながら膝を曲げていく」膝関節の動きと、「足関節をしっかりと背屈することで体重を前側に移動する」足関節の動きがスムーズに行えなくなると膝に負担がかかりやすくなり痛みに繋がってしまいます。

つまり、体重を支えながらスムーズに膝の屈曲ができる膝関節の動きと体重の前方移動をスムーズに行うために必要な足関節の背屈を行えるようにすることが階段や段差を降りる時の膝の痛みを改善するキーポイントになります‼

膝関節の動きを阻害してしまう原因には大腿四頭筋の柔軟性の低下が大きく関与しており、足関節の背屈を制限する原因には下腿三頭筋などの背屈を制限する筋肉の柔軟性の低下が大きく関与しています。

これらの筋肉の柔軟性を改善することが階段や段差を降りる時の膝の痛みの改善に重要となります。

では実際にこれらの筋肉の柔軟性の改善にはどのようなストレッチが効果的なのでしょうか??

階段や段差を降りる時の膝の痛みを改善するストレッチ方法

ここまでで説明したように、階段や段差を降りる時の膝の痛みを改善するためには大腿四頭筋の柔軟性の改善と足関節の背屈を制限する筋肉の柔軟性を改善が重要となります。

これらの筋肉の柔軟性を改善する実際のストレッチ方法を大腿四頭筋と足関節背屈改善の2つに分けて紹介していきます。

大腿四頭筋の柔軟性を改善するストレッチ方法

大腿四頭筋の柔軟性が低下すると膝が曲がりにくくなってしまいます。

特に階段や段差を降りる時のように膝に力を入れながら曲げるような運動を行うときに大腿四頭筋の柔軟性が低下していると膝への負担が強くなり、痛みに繋がってしまいます。

ストレッチ方法はさほど難しくありません。

大腿四頭筋のストレッチ①

上の図のように痛みがある方の脚が下になるように横向きで寝ます。

痛くない範囲で膝を曲げてから大腿が後ろに行くように引きます。

太ももが突っ張り始めたところで10-20秒程度キープします。

これを5回程度繰り返します。

1日の中で2-3回行うことをおすすめします。

大腿四頭筋のストレッチ②

横向きで行うストレッチで膝が痛む、突っ張りすぎる場合はうつ伏せで膝を曲げるストレッチから行ってみることをおすすめします。

方法はとても簡単で、うつ伏せの姿勢で痛くない脚で痛い脚を曲げてあげるだけです。

横向きのストレッチと同様に太ももが突っ張り始めたところで10-20秒程度キープします。

足関節の背屈を制限する筋肉の柔軟性を改善するストレッチ方法

次に足関節の背屈を制限する筋肉の柔軟性をupするストレッチ方法について紹介します。

階段や段差を降りる時に足関節をスムーズに背屈できないと体重移動がスムーズに行えなくなり、膝への負担が増えて痛みが生じてしまいます。

このストレッチ方法もとても簡単です‼

足関節背屈を改善するストレッチ①

上の図のように台の上に脚を乗せます。

この状態で踵が浮かないようにしながら膝を前に出します。

この時にスネが2本目の足指と3本目の足指の間に倒れるように膝を前に出していくことがポイントです‼

踵が上がらずに痛みがない範囲で最大限膝を前に倒したら10-20秒程度キープしましょう。

これを5セット程度繰り返します。

1日の中で2-3回行うことをおすすめします。

足関節背屈を改善するストレッチ②

立って行うストレッチで膝を前に倒した時に足関節の前が痛む場合は、タオルを使ったストレッチから行ってみてください。

膝裏が浮かないように注意しながら10-20秒程度キープします。

これを5セット程度繰り返します。

1日の中で2-3回行うことおすすめします。

つま先が楽に起こせるようになってきたら立って行うストレッチを行ってみて下さい。

さいごに

特に膝を痛めたエピソードはない、ケガかから十分に時間が経過しているのに階段を降りる時に痛い。

歩いてても痛くないのに階段や段差を降りる時に膝が痛い。

こんな症状をお持ちの方も少なくないと思います。

今回紹介したストレッチはこんな症状をお持ちの方に効果的である可能性が高いストレッチになります。

簡単に行うことができるストレッチなので、ぜひ一度お試しください‼

ストレッチを行う際の注意点

以下の症状がある場合はストレッチをする前に整形外科を受診しましょう

  • 膝が強く腫れている
  • 転倒など膝の痛みに繋がる明確なエピソードがある
  • 膝が痛くて数歩も歩けない
  • 安静時に強い痛みがある

参考資料

  • 坂井建夫:プロメテウス解剖学アトラス
  • 中村隆一:基礎運動学第6版
  • 月城慶一:観察による歩行分析
  • Donald A.Neumann:筋骨格系のキネシオロジー

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