効果的な筋肥大のためのセット数、強度、インターバルの目安|エビデンスに基づく筋トレ解説

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効果的な筋肥大のためのセット数、強度、インターバルの目安|エビデンスに基づく筋トレ解説

最近のトレーニングブームで筋トレに励む人も非常に多いです。

筋トレを行う目的の一つが筋肉を育てること=筋肥大です。

筋肥大については昔から多くの研究がなされており、効率的に筋肥大を促すことができる方法について多くの報告があります。

今回は筋トレの本場アメリカのThe American College of Sports Medicine (ACSM)が多くの研究結果をもとに推奨するトレーニングプロトコルについて紹介します。

そもそも筋肥大って何なの??

本題に移る前に筋肥大について簡単に解説します。

筋肥大はトレーニングなどによって刺激を受けた筋肉の一部が損傷し、修復する過程で起こります。

この修復の過程で以前よりも少し筋線維が太くなって修復されるので筋肥大が生じます。

筋肥大に関連する要因には主に機械的負荷(メカニカルストレス)内分泌系因子が挙げられます。

機械的負荷は筋トレ時に生じる筋肉への物理的な刺激のことです。

重量、回数、インターバル、運動速度などを調節することで機械的負荷を調節できます。

内分泌系因子は筋トレを行うことで生じる成長ホルモンやアンドロゲンなどの多くのホルモンによる作用です。

筋トレによる筋肉への刺激がトリガーとなって多数のホルモンが誘発され、筋肥大が誘発されます。

また、ホルモンの分泌は運動強度などといった、筋に対するストレスの加わり方によって違ってくるようです。

筋肥大を効率的、効果的に促すためには筋肉への機械的負荷や内分泌系因子を最適化するようなトレーニングプロトコルを組むことがポイントとなります。

筋力強化について

筋力強化や筋肉の疲労について解説を行っています。興味がある人は下記よりご覧ください。
-筋力強化のメカニズムについて
-筋肉の疲労について

トレーニングの本場、アメリカで推奨されるトレーニングプロトコルについて

それではここからが本題です。

筋肥大を効率的、効果的に促すトレーニングプロトコルについては多くの研究が行われています。

トレーニングプロトコルには最新の科学的な知見をもとにした方法や伝統的に行われているトレーニング方法など様々あり、多くのトレーニング方法が報告されています。

したがって、科学的根拠のあるトレーニング方法の中から実際に自分自身で試してみて、自身にあったトレーニング方法を模索していく必要があります。

ただ、やはり基本となるのは最新の知見をもとにした方法よりも伝統的に行われているトレーニング方法です。

そこで、筋トレの本場であるアメリカのThe American College of Sports Medicine (ACSM)が推奨するトレーニング方法を紹介します。

The American College of Sports Medicine (ACSM)はアメリカスポーツ医学会のことで、健康やスポーツ医学に関する数多くの論文が公表されています。また、多くの論文をもとにしたガイドラインも作成しています。

ACSMが推奨する初級者向けトレーニングプロトコル

The American College of Sports Medicine が筋トレ初級者に向けた筋肥大を目的に推奨するトレーニングプロトコルは以下の通りです。

  • セット数:1-3セット
  • 反復回数(reps):8-12回
  • 負荷強度:最大筋力の70-85%
  • インターバル:1-3分

初級者には以上のトレーニングプロトコルが推奨されています。

少ない負荷から行ってみて徐々に負荷を上げていくことをおすすめします。

ムリに高負荷でトレーニングを行うと代償動作や可動域不足となってしまい、筋肉に適切な刺激が入らないばかりか、怪我の原因になってしまうかもしれません。

ACSMが推奨する上級者向けトレーニングプロトコル

The American College of Sports Medicine が筋トレ上級者に向けた筋肥大を目的に推奨するトレーニングプロトコルは以下の通りです。

  • セット数:3-6セット
  • 反復回数(reps):1-12回
  • 負荷強度:最大筋力の70-100%
  • インターバル:1-5分

上級者には以上のトレーニングプロトコルが推奨されています。

初級者と比較して負荷強度が高くなっている分インターバルも長くとる必要があります。

また、一般的には最大筋力付近でトレーニングを行うと神経学的要因の改善がおこり、筋の出力向上が起こりやすいと言われています。

一方で、70-80%といった中強度で反復回数を増やすと筋肥大は生じやすいと言われています。

以上の点から、筋肥大を目的にするのか、筋の出力向上を目的にするのかによって負荷強度は調節した方が良いです。

さいごに

今回は The American College of Sports Medicine が推奨するトレーニングプロトコルを紹介しました。

筋肥大を目的にしたトレーニング方法は多くの研究がなされており、数多くの科学的根拠のあるトレーニング方法が報告されています。

その中でも今回紹介したトレーニングプロトコルは基礎となります。

ある程度トレーニング歴が長くなってきて経験を積んだら、科学的根拠のある新しいトレーニング方法をバリエーションとして取り組んでみると良いでしょう。

自分に合ったトレーニング方法を行うことで筋肉に良い刺激が入り、筋肥大は効果的に促されます。

筋トレバリエーション

筋肥大を目的にしたトレーニング方法のバリエーションメニューを紹介しています。興味がある人は下記よりご覧ください。
ストレッチ負荷による効果的な筋肥大方法

参考資料

  • Michal Krzysztofik et al: Maximizing Muscle Hypertrophy: A Systematic Review of Advanced Resistance Training Techniques and Methods.Int. J. Environ. Res. Public Health 2019, 16, 4897.
  • American College of Sports Medicine American College of Sports Medicine Position Stand. Progression models in resistance training for healthy adults. Med. Sci. Sports Exerc. 2009, 41,687–708.

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