システマティックレビュー論文をもとに効果的に腹筋を鍛える方法を解説‼
ダイエット、ボディメイク、筋トレ、競技力向上などなど。
目的は違えど多くの人が腹筋を鍛えています。
トレーニング方法もバリエーションが豊富で、どんなトレーニングを行うのが効果的か悩んでしまいます。
実際にどんなトレーニング方法が効果的か論文をもとに調べてみると、興味深い論文を見つけました。
その論文ではシステマティックレビューという複数の研究結果をまとめる手法が用いられていて、どのようなトレーニング方法が効果的か結論が導き出されていました。
そこで今回はこの論文をもとに、腹筋を効果的に鍛えることができるトレーニング方法を紹介します。
信頼性のある67の研究、50以上のトレーニング種目の中から腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋を鍛える上で効果的な方法が検討されていました。
それぞれの筋肉に分けてこの論文で紹介されていた効果的なトレーニング方法を紹介します。
腹筋の解剖について
腹筋は腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋に分けられます。
バキバキに割れたシックスパックには腹直筋が大きく関与します。
それぞれの筋肉には機能的な違いもあるので鍛える上で注意する必要があります。
腹筋の詳細な解剖については別記事で解説しています。興味がある人は下記よりご覧ください。
– 腹筋を効果的に鍛えるために必要な解剖の基礎知識について
システマティックレビューから見えた効果的な腹筋の鍛え方
ここまでで解説したように、腹筋は腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋に分けられます。
ここからは実際にそれぞれの筋肉を効果的に鍛えることができる方法を紹介します。
今回参考にした論文では、紹介するトレーニング方法の他にも50以上もの多くのトレーニング方法が紹介されていました。
興味があるひとはこちらからチェックしてみてください。
それでは実際に紹介していきます。
腹直筋を効果的に鍛えるトレーニング方法:ブルガリアンスクワットとアブローラーが効果的‼
腹直筋はクランチ(上体起こし)などの伝統的なトレーニング方法ではなく、フリーウェイトトレーニング時に筋肉の活動がupしていました。
特にバーベルやダンベルなどで負荷を上乗せした状態でのブルガリアンスクワットの時に腹直筋は強く活動することが判明しました。
腹筋を鍛えたいのに腹筋以外の運動で強く活動するのは意外ですよね??
フリーウェイトの場合、ウエイトを持つことでバランスが崩れそうになる、重量に押されて体幹が曲がりそうになるのを抑えるために腹直筋が働いていることが考えられます。
また、フリーウェイト以外ではアブローラーを使うような運動時に強く活動することが明らかとなりました。
・ブルガリアンスクワット
・アブローラー
内腹斜筋を効果的に鍛えるトレーニング方法:フロントプランクとドローインが効果的‼
内腹斜筋の筋活動は一般的に体幹トレーニングとして良く行われているような運動時に高まることが報告されていました。
特に筋活動が高かった運動は、肩甲骨を寄せながらのフロントプランク、お腹引き込み運動(ドローイン)、骨盤後傾運動(お腹を引き込みながら背中を丸める動き)です。
内腹斜筋は腹筋群の中でも深層にある筋肉、いわゆるインナーマッスルです。
インナーマッスルは大きな力を発揮するというよりも安定性に寄与する要素が大きいといった特徴があります。
したがって、ダイナミックな運動というよりもプランクやドローインのような体幹の安定性を向上するような運動時に筋活動が大きくなっています。
・フロントプランク
*内腹斜筋を鍛える時は肩甲骨を寄せるようにしながら行うとさらに効果的です。
・ドローイン
*ドローインは腹横筋をターゲットに行うことが多いですが、今回参考にしたシステマティックレビューでは内腹斜筋にも効果的であることが紹介されていました。
・骨盤後傾運動
*骨盤後傾運動を行うポイントはお腹を引き込みながら背中を丸めることです。
外腹斜筋を効果的に鍛えるトレーニング方法:ブルガリアンスクワットのような片脚で行うトレーニングが効果的‼
外腹斜筋の筋活動はフリーウェイトトレーニング時に高まることが報告されていました。
フリーウェイトトレーニングのなかでも特に片脚支持で行うトレーニング時に筋活動が高まります。
特に筋活動が高かった種目がブルガリアンスクワットです。
ブルガリアンスクワットは腹直筋の筋活動が高まることも報告されていたので、腹筋を鍛える上でかなり効率が良い運動であることが分かります。
ブルガリアンスクワットというとお尻などの下半身の筋トレとして注目されていますが、実は腹筋も効果的に鍛えることができるかなり万能なトレーニング方法なのです‼
ブルガリアンスクワットの特徴やメリットなどについて別記事で解説をしています。興味がある人は下記よりご覧ください。
– ブルガリアンスクワットってどんな運動??
– ブルガリアンスクワットの効果を高めるコツ
腹横筋を効果的に鍛えるトレーニング方法
腹横筋は深いところにある筋肉なので正確に筋肉の活動を調査することは難しいです。
よって、信頼できる研究自体も少ない現状があります。
トレーニング効果について詳細な検討が行われないまま普及しているトレーニング方法も多くあります。
今回参考にしたシステマティックレビューでは、体幹を不安定な状態にさらして姿勢が崩れないようにするような運動がおすすめされていました。
紹介されていたトレーニング方法がサスペンショントレーニングです。
サスペンションで吊られた状態で横向きに寝ます。
この時に身体がまっすぐな状態になっているように姿勢をキープします。
姿勢をキープするために腹横筋の活動が高まるとされています。
このトレーニング方法はサスペンションといった特別な道具がないと行うことができませんが、身体を不安定な状態にさらすことがポイントになるので、他の方法でも代用は可能です。
例えば、バランスディスクを使用した運動も方法の一つになります。
また、トレーニング時の筋肉の活動を記録した研究ではありませんが、エコーを用いた研究により、ドローインを行うことで腹横筋の厚さが増えた(=筋肉の成長)ことが報告されています。
腹横筋の代表的なトレーニング種目であるドローインも効果的であることが考えられます。
腹筋を割るために重要なこと:脂肪を落とすことが必要
今回は効果的な腹筋の鍛え方をシステマティックレビュー論文をもとに紹介しました。
科学的根拠がある情報をもとにトレーニングを行うことで効率的に筋トレを行うことが可能になります。
一方で、腹筋を鍛える多くの人が目標とする「バキバキに割れたシックスパック」を手に入れるためには腹筋をひたすら行うだけでは難しいといった現状があります。
お腹周りには脂肪がつきやすく、この脂肪をしっかり落とさない限り、いくら腹筋をしてもバキバキに割れたシックスパックを手に入れられません。
また、脂肪燃焼を目的に腹筋を行っても、腹筋だけではそこまで多くのカロリーを消費しないので腹筋のみではあまり効率的ではありません。
バキバキに割れたシックスパックを手に入れるためには、腹筋を鍛えることと合わせて、カロリー制限などの食事制限や中等度の運動強度で比較的長時間行う有酸素運動などで脂肪燃焼を効率的に進めていく必要があります‼
お腹痩せや脚痩せなどの部分痩せが可能かどうか科学的根拠がある情報をもとに解説しています。興味がある人は読んでみて下さい。
まとめ
今回はシステマティックレビュー論文をもとに効果的な腹筋の鍛え方について紹介しました。
効果的なトレーニング方法をまとめると以下のようになります。
- 腹直筋:ブルガリアンスクワット(ダンベル負荷)、アブローラー
- 内腹斜筋:フロントプランク、ドローイン、骨盤後傾運動
- 外腹斜筋:ブルガリアンスクワット(ダンベル負荷)
- 腹横筋:身体を不安定な状態にさらして姿勢が崩れないように保持する運動(バランスボールやバランスディスク)
一般的に行われている腹筋のトレーニング方法だけでなく、フリーウェイトトレーニングでも腹筋を鍛えることが分かり、個人的には大変勉強になりました。
特にブルガリアンスクワットは下半身のトレーニングとして効果的であるだけでなく、腹直筋や外腹斜筋のトレーニングとしても効果的!!
ブルガリアンスクワットはめっちゃ万能なトレーニング種目となります!!
腹筋を鍛えるだけではバキバキに割れたシックスパックを手に入れることはできません。栄養管理などによって余分な脂肪を落としてあげる必要があります。
栄養と代謝に関する解説も別記事で行っているので興味がある人は下記よりご覧ください。
– 【初心者必見】ダイエットに重要な各栄養素のカロリーや消化吸収について解説
– 下半身痩せ、お腹痩せが可能か科学的な視点から検討してみた
– 脂肪燃焼に必要なカロリーの基礎知識を分かりやすく解説
参考資料
- José M. Oliva-Lozano et al: Core Muscle Activity during Physical Fitness Exercises: A Systematic Review
- Xin Lin et al : Effects of Different Sling Settings on Electromyographic Activities of Selected Trunk Muscles_A Preliminary Research
- 坂井建夫:プロメテウス解剖学アトラス
おすすめアイテム
・アブローラー
・ヨガマット
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