【部分痩せは不可能⁉】筋トレと部分痩せの関係|腹筋してもお腹の脂肪は減らない真実

部分痩せ

【部分痩せって不可能⁉】筋トレと部分痩せの関係|腹筋してもお腹の脂肪は減らない…

「ウエストを細くするためには〇〇筋を鍛える運動がいいよ~。」とか「足を細くするには〇〇筋を鍛えるといいよ‼」など、様々な情報が巷であふれています。

真偽が明らかになっていなくても、実際にスタイルの良い「インフルエンサー」的な人が「こんな筋トがおすすめ!!」とか言ってしまうと深く考えずについつい実際に取り組んでしまう人も多いと思います。

しかし、そもそも筋力トレーニングで部分痩せは可能なのでしょうか?

そこで今回は筋力トレー二ングを行うことで部分痩せ可能なのか、研究報告などをもとに検討していきます。

*賛否両論ある話題でもあります。読む際にはその点もご考慮いただけますようよろしくお願いします。

いきなり結論

詳細はそんなに気にならない人向けにいきなりですが結論から。

結論は…

筋力トレーニングを行うことで脂肪減少による部分痩せを行うことは難しい」です。

複数の研究や生理学をもとに考えると、筋力トレーニングによる局所の脂肪減少による部分痩せが起こることは証明できないことが考えられました。

*筋トレによる脂肪減少による部分痩せは難しいですが、浮腫み改善による一時的な部分瘦せは可能です

ただ、実際には筋力トレーニングを行うことで選択的・部分的な痩身は難しいかもしれませんが、効率的に脂肪を燃焼することは可能となります。この点についても少し触れていきます。

筋力トレーニングが脂肪燃焼に与えるメリット

みなさんご存知のように、筋肉は運動を行う時に脂肪を燃焼するといった大きな役割をになっています。

人間は筋肉を働かせて運動をするわけですが、筋肉が働くためにはエネルギーが必要になります。このエネルギーを産生するために使われるのが「糖質」、「脂肪」、「タンパク質」です。

筋肉はその時々の条件に見合った形で「糖質」、「脂肪」、「タンパク質」からエネルギーを産生し、運動を遂行します。

栄養や代謝について

栄養や代謝について別記事でも解説しています。興味がある人は下記よりご覧ください。
栄養・代謝について

筋力トレーニングを行うことで筋肥大(筋肉が大きくなる)が生じるといったことは皆さんご存知の通りです。

筋肥大により筋のボリュームが増えることで運動時により多くの脂肪を燃焼することが可能になります(大きなエンジンを持つことで多くのエネルギーを使うこができるようになる感じ)。

また、脂肪燃焼を目的として行われることが多い有酸素運動の際にも、筋肉が発達している人の方が脂肪燃焼が効率的に行えるようになることも報告されています。

これは筋肉が発達している人が有酸素運動を行うと、発達していない人と比較して運動に必要な脂肪から得られるエネルギー量が多くなることが影響しているようです。

以上のことからも分かるように、脂肪を多く燃焼するためには筋肉が発達している方が良いといったことが考えられます。

また、筋力トレーニング自体がエネルギー(カロリー)を消費して行う運動になるので、これ自体にもいくらかの脂肪燃焼効果があることが考えられます。

筋力トレで脚痩せやお腹痩せは可能なのか:部分瘦せの可能性

さて、ここからが本題です。

筋力トレーニングを行うことでターゲットとした筋肉周囲の皮下脂肪は実際に減っていくのでしょうか?

「いきなり結論」の部分でも説明しましたように、このことについては否定的な研究結果が報告されています。

自転車トレーニングを用いた研究によると、自転車トレーニングという脚を主に使うトレーニングを行っても、脚の皮下脂肪が選択的に減少しないことが報告されています。

つまり、この研究により、脚をたくさん使うようなトレーニングを行っても、脚が選択的に痩せていく、「部分痩せ」が生じるわけでは無いということが明らかになりました。

同様の結果となった報告が多数存在する一方で、筋トレによる部分痩せを肯定する報告は見受けられませんでした。

また、今のところ生理学の分野においても、「局所の筋運動へのエネルギー供給がその表在する皮下脂肪より供給されるような、生理学的なエネルギー供給経路は考えられない」と考えられています。

これはつまり、筋トレを行う際に、ターゲットとする筋肉の近くの皮下脂肪を選択的に利用してエネルギー供給が行われるわけでは無いということです。

脂肪燃焼から少し視点を変えて、筋トレを行うことで部分痩せが起きるか考えてみます。

筋トレを行うことで生じる筋肉の変化=筋肥大について考えてみます。

先ほども少し触れましたが、筋力トレーニングを行うことで筋肥大といった筋のボリュームアップといった変化が起こります。

筋肥大ということは、該当する部位が「部分的に痩せた」というよりも「部分的に大きくなった」という変化になってきます。

つまり、この視点からも筋力トレーニングを行うことで「部分痩せ」が生じるということは考えにくいのではないかと思われます。

(むしろ、何も運動しないで筋肉を萎縮させれば部分痩せが生じるかもしれませんが…笑)

以上のように、研究報告や生理学、運動による筋肥大の観点から複合的に考えると筋力トレーニングを行うことで筋肥大が生じるということは考えにくいと言えます。

一方で、脂肪の減少に限局しなければ、筋トレを行うことで当該部位を一時的に痩せさせることは可能です。

その方法が筋トレによる浮腫みの改善です。

筋トレを行うことで当該部位の血流が改善し、浮腫みが改善することはよくあることです。

しかしながら、これは一時的な変化に過ぎず、少し時間が経てば元に戻ってしまいます。

まとめ

  1. 筋力トレーニングを行うことで部分痩せが生じるということは、研究報告や現在の生理学の見解、筋力トレーニングによる筋肥大を考慮すると考えにくい
  2. 筋力トレーニングにより部分痩せは生じないが、全身の脂肪を効率よく燃焼するためには筋力トレーニングは効果的といえる
  3. 脂肪の減少による部分瘦せではないが、筋トレを行うことで当該部位の浮腫みが改善し、一時的に細くすることは可能

*当ブログでは部分痩せについて多方面から検討しています。興味がある方はこちらの記事もご覧ください

参考資料

  • 安部孝他.:日本人の体脂肪と筋肉分布.東京:杏林書院,1995:2-87
  • 三浦朗他.:局所トレーニングは運動部位の皮下脂肪を減少させるか?片脚の有酸素性脚自転車トレーニングがトレーニング脚の脂肪断面積および酸素利用能に及ぼす影響.デサントスポーツ科学,1999;20:106-115
  • Lundberg TR, et al.: Aerobic exercise does not compromise muscle hypertropy response to short-term resistance training. J Appl Phisiol 2013, 114: 81-89
  • 弓桁亮介他.日本人若年女性における体脂肪の増減の部位差.Jpn J Health & Human Ecology 2015, :81:3:75-81                       

など

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