スクワットのメリットとデメリットについて|エビデンスに基づく筋トレ解説
筋トレの代表的な種目の一つであるスクワット。
スクワットのメリットとデメリットについて考えたことはあるでしょうか??
どんな種目でもメリットとデメリットをしっかりと理解することで自分の目的に合わせたトレーニングを行うことができます。
今回はスクワットのメリットとデメリットについて紹介していきます。
エビデンスに基づく効果的なトレーニングについて解説しています。興味がある方は下記よりご覧ください。
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スクワットのメリット
まずはスクワットのメリットについて紹介します。
スクワットは下半身をまんべんなく鍛えることができる万能な種目であり、メリットがたくさんあります。
スクワットはたくさんの筋肉を鍛えることができる
スクワットは代表的な下半身の筋トレ種目の一つで、最もポピュラーな筋トレ種目でもあります。
代表的な種目となっている理由はスクワットが下半身の筋肉をまんべんなく使う種目である点です。
スクワットで主に使われる筋肉は「大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、脊柱起立筋、下腿三頭筋」です。
スクワットは立位で多くの関節を駆使して行う運動なので、これらの筋肉以外にも多くの筋肉を使用します。
スクワットで鍛えられる主な筋肉筋肉の解剖学的特徴について詳しく解説を行っています。
興味がある人は下記よりご覧ください。
スクワットはスポーツ動作に直結する動作
スクワットの姿勢はスポーツを行う時の基本姿勢になります。
例えば、野球の守備やバレーボールのレシーブ、バスケのディフェンスの姿勢などが良い例だと思います。
このような姿勢はパワーポジションと呼ばれ、スポーツをする時の基本姿勢の一つとなります。
スクワットを正しく行うことができるとパワーポジションをしっかりととることができるようになります。
したがって、スクワットはスポーツ動作の基本とも言えるのです。
スクワットはダイエットに適した運動
スクワットは多くの筋肉を駆使して行う運動なので消費カロリーを大きくしやすいといったメリットがあります。
小さな筋肉を使う時と比較して、大きな筋肉を使う時の方がカロリーがたくさん消費されます。
下半身には大きな筋肉がたくさんあるので、下半身の筋肉をまんべんなく使うスクワットは消費カロリーを増やしやすいのです。
以上のことから、スクワットはダイエットに適した運動といえます。
ダイエットの基礎知識となるカロリーについて分かりやすく解説しています。
興味がある人は下記よりご覧ください。
動作が単純で行いやすい
トレーニング種目によっては動作自体が複雑で取り組みにくいものものあります。
スクワットは簡単に言ってしまえば、立った状態で膝を曲げ伸ばしするだけの運動なので、老若男女どんな人でも行いやすい運動です。
また、おもりを持つ、行う回数を増やすなどで負荷を調節しやすい点もメリットとなります。
血流改善による浮腫みや冷え性の改善にも効果的
スクワットは下半身や体幹の多くの筋肉を駆使して行う運動です。
下半身や体幹にある筋肉は上半身と比較して大きな筋肉がたくさんあります。
このため、運動することで血流の改善が得られやすいです。
血流が改善することで浮腫みや冷え性も改善されます。
スクワットのデメリット
万能でメリットがたくさんあるスクワットですが、デメリットもあります。
このデメリットを理解することで、より一層スクワットを効率的に行うことができます。
バーベルなどを使って負荷をかけるか、反復回数を増やさないとそこまで大腿四頭筋・ハムストリングスは鍛えられない
スクワットは大腿四頭筋を鍛えるための代表的な種目の一つです。
しかし、自重のみで少ない回数のトレーニングでは大腿四頭筋が強化されないことはご存知でしたでしょうか??
筋電図という筋肉の活動を調べる特殊な機器を用いた研究により、重量負荷なしの単発スクワットでは大腿四頭筋の筋肉の活動量は最大活動量の約11%程度にとどまったことが報告されています。
スクワットは多くの関節を駆使して行う多関節運動です。
つまり、動員される筋肉も多くなり、一つの筋肉に加わる負荷が少なくなってしまいます。
スクワットで大腿四頭筋を鍛える場合、バーベルなどで重量負荷をプラスしてあげるか、反復回数を増やしてオールアウトまでしっかりと追い込んであげることが重要になります。
ちなみにハムストリングスも同様で、負荷なしの単発スクワットでは最大筋活動量の5%程度にとどまるようです。
下肢の関節にかかる負荷を考慮する必要がある
これが最大のデメリットといっても過言ではありません。
スクワットは荷重下(体重がかかった状態)で行う運動になります。
自重で行う場合でも股関節や膝関節、足関節には体重+重力負荷は少なからずかかってきます。
若くて健康な人であればそこまで気をつける必要はありませんが、高齢になってくるとどんな人でも少なからず関節は傷んできます。
場合によっては傷んだ関節に追い打ちをかけることに繋がりかねないので注意が必要です。
痛みや症状に応じて自身の身体と相談しながら行いましょう。
正しい姿勢で行わないと怪我をする恐れがある
スクワットに限ったことではありませんが、正しい姿勢で行わないと怪我をする危険性があります。
スクワットでよくある悪い姿勢は背中が丸まってしまう、体幹の前傾が少ない、膝が過度に内に入るなどです。
このような姿勢をとっていると膝や腰への負担が大きくなり、怪我をしてしまう危険性があります。
さいごに
今回はスクワットのメリットとデメリットについて紹介しました。
どんなに効果的な運動でもメリットとデメリットを把握しておかない思わぬトラブルを呼んでしまうかもしれません。
また、トレーニング効果を最大化するためにはメリットとデメリットの把握とトレーニングの基礎知識の理解は必須になります。
参考資料
- 市橋則明他:スクワット動作の筋電図学的考察.理学療法学 第19 巻第5 号 487 〜490 頁(1992 年)
- 眞鍋芳明他:スクワットの挙上重量変化が股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響.体力科学 52,89-98, 2003
- 渡部果歩他:スクワット動作の速度の違いが床反力と筋活動に与える影響
- 後藤寛司他:スクワット動作時における骨盤前後傾の違いが下肢関に及ぼす影響について
- 中村隆一:基礎運動学 第6版
- 渡邊学他:異なる下肢アライメントのスクワットフォームが足底荷重に及ぼす影響についての検討.THE ANNUAL REPORTS OF HEALTH, PHYSICAL EDUCATION AND SPORT SCIENCE VOL.37, 29-35, 2018
- 清水洋治他:条件の異なるスクワット動作遂行中の下肢の運動学的解析.The Journal of Japan Academy of Health Sciences p.200-209 . 2016
- 岩淵慎也他:足関節背屈可動域がスクワット動作に及ぼす影響.2011
- 眞鍋芳明他:側後の異なるスクワットトレーニングが下肢の筋断面積、筋力、運動パフォーマンスに与える影響.バイオメカニズム 19
- 眞鍋芳明他:動作形態の異なるスクワットが股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響.体力科学53,321-336.2004
おすすめアイテム
・ダンベル
ダンベルを持ってスクワットを行うことで筋肉に対する負荷を強くすることができます。
自重だけのスクワットで満足できなくなったらダンベルを使ってみるのもアリです。
・スクワット補助具
スクワットが上手く行えない人は補助具を使ってみるのもアリだと思います。
継続することがポイントです。
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