スクワットってどんな運動??:効果、やり方などを専門家の視点から解説‼|エビデンスに基づく筋トレ解説
どんな人でも一度は行ったことがある運動、「スクワット」。
部活、体育、ダイエット、トレーニングなどなど。
目的は違えど、スクワットをしたことがない人なんていないんじゃないかってくらいポピュラーな運動です。
ポピュラーであるがゆえに深く考えずに適当にスクワットをこなしがちかもしれませんが、実はスクワットって意外と奥が深いんです。
今回は運動の専門家の視点から少し専門的な話を交えてスクワットについての基礎知識や実践方法などを解説します。
やみくもに行っても効果は出にくいのでしっかりと学びましょう‼
別の記事でもスクワットに関する情報を解説しています。興味がある人は下記よりご覧ください。
– スクワットで鍛えられる主な筋肉の解剖学的特徴について
– スクワットのメリットとデメリットについて
– 【初心者必見】ブルガリアンスクワットとスクワットの違いについて
スクワットってどんな運動??
スクワットは筋トレBig3と呼ばれる、筋トレの代表的な種目の一つです(筋トレBig3:ベンチプレス、デッドリフト、スクワット)。
この筋トレBig3の中でスクワットは下半身を強化することができる種目となります。
動作様式としては体幹、股関節、膝関節、足関節を協調的に動かす運動となります。
スクワットの基本的な方法は以下の通りです。
- 足を肩幅よりも少し開いてつま先と膝が同じ向きになるように立つ
- お尻を後ろに突き出して、背中が丸まらないように気をつけながら股関節・膝関節を曲げる(膝が内に入らない、膝がつま先よりも前に出ないように気をつける)
- 太ももと床が平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと開始姿勢に戻る
一般的にスクワットをする時に着目されるのは股関節と膝関節ですが、体幹や足関節を含めて協調的に動かすことができてはじめて正しいスクワットを行うことができます。
スクワットの主な効果
スクワットは下肢・体幹の多くの筋肉を鍛えることができる運動です。
スクワットで鍛えられる代表的な筋肉は大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、中殿筋、下腿三頭筋、脊柱起立筋です。
体幹・下半身にある多くの筋肉を使用する運動なので一つの関節だけを動かすようなレッグエクステンションなどと比較して多くのエネルギーが必要になります。
つまり多くのエネルギーを消費することができるダイエットに適した運動とも言えます。
また、スクワットは実際のスポーツ動作に近い筋肉の活動様式となるので競技力向上にも必須の運動といえます。
スクワットで鍛えられる主な筋肉の解剖学的特徴について下記の記事で詳しく解説しています。
スクワットってどんな動作??
スクワットは運動学的な視点から考えると二つの相に分けることができます。
それが、下降局面と挙上局面のです。
スクワットをより効果的に行うためには、下降局面と挙上局面で使われる筋肉が違ってくる点を理解しておく必要があります。
下降局面で重要となるの筋肉が大腿四頭筋、挙上局面で重要となるのが大殿筋・中殿筋などの殿筋群です。
下降局面と挙上局面の動作の特徴は以下の通りです。
・下降局面:下降局面では重力による負荷(加速度)が加わった体重を支えながら体幹・股関節・膝関節・足関節を曲げていく。もっとも深く曲げ込んだタイミングで加速度が0になって上昇局面に移行する。したがって、体重+重力の負荷を支えつつ加速度が0になるようにブレーキを掛けながら曲げていく動作(ブレーキをかける重要な筋肉が大腿四頭筋)。
・挙上局面:挙上局面ではもっとも深く曲げ込んだ姿勢から体幹・股関節・膝関節・足関節を伸ばしていく。体重+重力に抗して身体を静止立位姿勢に持って行く運動。挙上局面では特に股関節を伸展(伸ばす)する大殿筋や骨盤が横にズレないように固定しておく中殿筋などの股関節周囲筋が重要な役割を担っている(大腿四頭筋の活動はそんなに大きくはならないようです)。
さいごに
今回はスクワットの基礎知識について紹介しました。
単純な動作でありながら実は奥深いスクワット。
基礎知識をしっかりと理解してはじめて効率的なトレーニングを行うことができます!!
エビデンスに基づく効果的なトレーニングについて解説しています。興味がある方は下記よりご覧ください。
– 体幹トレーニングの代表的種目であるプランクで体幹は安定し、腹筋は鍛えられるか⁉
– エビデンスに基づく効果的な腹筋の鍛え方~システマティックレビューから見えたトレーニング方法~
– 【HIITの真実】HIITを行っても脂肪はそんなに減らないし、減量はそこまで進みません
参考資料
- 市橋則明他:スクワット動作の筋電図学的考察.理学療法学 第19 巻第5 号 487 〜490 頁(1992 年)
- 眞鍋芳明他:スクワットの挙上重量変化が股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響.体力科学 52,89-98, 2003
- 渡部果歩他:スクワット動作の速度の違いが床反力と筋活動に与える影響
- 後藤寛司他:スクワット動作時における骨盤前後傾の違いが下肢関に及ぼす影響について
- 中村隆一:基礎運動学 第6版
- 渡邊学他:異なる下肢アライメントのスクワットフォームが足底荷重に及ぼす影響についての検討.THE ANNUAL REPORTS OF HEALTH, PHYSICAL EDUCATION AND SPORT SCIENCE VOL.37, 29-35, 2018
- 清水洋治他:条件の異なるスクワット動作遂行中の下肢の運動学的解析.The Journal of Japan Academy of Health Sciences p.200-209 . 2016
- 岩淵慎也他:足関節背屈可動域がスクワット動作に及ぼす影響.2011
- 眞鍋芳明他:側後の異なるスクワットトレーニングが下肢の筋断面積、筋力、運動パフォーマンスに与える影響.バイオメカニズム 19
- 眞鍋芳明他:動作形態の異なるスクワットが股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響.体力科学53,321-336.2004
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